再考

2024.08.17

回帰

若かりし頃、貪欲に多様な趣味に没頭していた。スノーボードからVJ、革細工まで、各々が人生の彩りを増すものだと思っていた。例えばバイクを愛でて改造し、風を切って走る感覚、その時期の自由そのものの体現だった。

しかし、これらの多様な経験は本質に回帰するべきものだった。

予期せぬ転換点

10年ほど前、突如として訪れた体調の変化は、自身の虚弱を痛感させる契機だった。複数回の手術を経験し、自分の身体的限界を知ることは、ある種の危機だ。

そして、追い打ちをかける両親の要介護状態と姉の支援の必要性。この状況下で、自身の不調をも顧みず家族のケアに奔走する日々。感情を失うほどの疲弊の中で、私は人生の本質的な問いに直面した。

ミニマリズム

この状況下で、ミニマリズムは単なるライフスタイルの選択ではなく、生き抜くための戦略だった。髪型の簡素化、機能性重視の服装。これは表面的な変化に過ぎない。本質的な変化は、生活のあらゆる面で「本当に必要なものは何か」を問い続けることにあった。

介護、家事、病院の送迎、煩雑な手続き。これらと仕事の両立には、効率化を必要とした。この過程で気づいたのは、効率化は単なる時間の節約ではなく、人生の質を高める手段だということだ。

健康寿命

この経験を通じて、「健康寿命」という概念が、私の人生観を変えた。単に長く生きることではなく、いかに充実した時間を過ごせるかが重要だと悟った。同時に、精神的な健康と向上心の維持が、身体的健康のそれ以上に重要だと気づいた。

介護を通じて垣間見た社会制度や人々の善意は、私の個人主義的な価値観を揺るがせた。「社会の中の個人」という視点を得て、自尊心と謙虚さのバランス、そして感謝が、いかに人生を豊かにするかを学んだ。

自己と社会貢献

仕事に対する姿勢も、大きく変わった。他者の構築した枠組みの中で仕事を取ったり働くのではなく、自らのビジョンに基づいたビジネスの創造を目指すようになった。これは単なる自己満足ではなく、限られた健康寿命の中で、自分の能力を最大限に活かす方法を模索する過程だと感じている。

予算の増大を目指すのも、単なるバカみたいな金銭的欲求ではない。自分の夢を実現し、より大きな影響力を持つための手段として必要不可欠なのだ。

ミニマリズムの逆説

生活のあらゆる面をミニマル化することで、逆に人生の可能性が広がった。これは、単なる物理的な整理整頓ではなく、人生の優先順位を根本から見直す哲学的な過程だった。

困難を通じて

困難は、時として致命的な結果をもたらす可能性がある。でも、恵まれた環境への感謝と、状況を客観的に見る能力があれば、どんな逆境も乗り越えられる。その過程で得る成長は、自分だけじゃなく他人も救う力になる。

日々の小さな選択の積み重ねが、やがて大きな変化をもたらす。コミットし続けることが大切だ。

人生は短い。でも、その内容は自分次第で無限に豊かにできる。

虚像

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